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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-138 e Mag (eとっておきマグ)

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概要
製品の概要

従来のマグカップよりも持ちやすく、こぼし難く、重ねやすい、容易に安心して使用できるカップを開発しました。
従来のマグカップは、カップの底面のみで接しているため、転倒して中身がこぼれやすく、ハンドルの両端が本体に接合しているため重ねて収納できず、かさ張るなどの不便さがありました。開発品は、ハンドルの一端と本体底面の2点で接地しているため、従来品よりも転倒しにくく、ハンドルの一端が開いているため、スタッキングできる構造となっており、省スペースで収納することができます。

人間工学的配慮視点

○課題:従来のマグカップは、ボディに対しハンドルが小さく両端で接しているため、掌や指全体で把持しにくく、重心位置もほぼ本体の重心位置にありました。またハンドルは耳形の形状が多く、ハンドルを持つ際、手首が大きく曲がる傾向があり、手の力が弱い人などは、持つ為に余分な力が必要となり不便でした。
○配慮点:人体寸法DBからサイズを検討し、長さ、断面形状を決定しました。ハンドルと本体の距離を広くすることで、従来品に比べ重心がハンドル側に移動しました。また、ハンドルを逆さ耳形にすることにより、手首を曲げずにハンドルを持つことができるようになりました。重心位置の評価、動作解析の結果、無駄な動作が少なく、主観調査でも同重量のマグカップと比べても軽く感じるという結果となり、人に優しいマグカップを開発できました。

開発秘話

長崎県窯業技術センターは、主に長崎県の陶磁器産業の技術やデザインに関する研究を行っており、平成12年度からユニバーサルデザインの商品開発に関する研究に取り組んできました。日用品の使用時の不便さを解消するため、人間工学的評価を取り入れ、九州大学の村木先生のご指導のもと、当商品を開発しました。これまで感覚的な評価のみだった開発に、動作解析などを取り入れたことで、主観評価と人間工学的評価両面から商品を開発することができました。UDや福祉関連の食器は、ややもするとその機能を優先するあまり、デザインを含め一般食器と区別されることが多いため、できるだけ問題解決を図りながら、シンプルで誰にでも受け入れられるデザインに仕上げました。名前の「とっておき」は、「大切な」という意味と「取っ手を置く」の意味をかけました。消費者の方にも納得していただける裏付けのある商品開発ができ、たいへん好評です。


評価結果データ

長崎県窯業技術センター研究報告Vol50(標題出典のみ)

特許・意匠登録番号

登録実用新案第3152713号

推薦者

広報委員会

お問い合わせ
企業名・担当部署名

長崎県窯業技術センター 戦略・デザイン科

その他連絡先

共同開発者:有限会社アイユー 小柳 吉喜
共同研究者:九州大学大学院 芸術工学研究院 デザイン人間科学部門 村木 里志

掲載URL

http://www18.ocn.ne.jp/~aiyu/

製品発売時期

2009年4月~

更新日

2014年03月26日



 


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