ホーム >  人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰 > グッドプラクティスデータベース一覧

人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-119 ジョーウェル・エルゴ・スーパー剪刀

画像

概要
製品の概要

手術中、臓器の剥離・切断に使用される医療用剪刀(ハサミ)に、デザインと機能性を大きく改善した製品を提案します。本製品は、医療機器分野の産学連携の成果です。
剪刀の持ち手にエルゴノミクスデザインを導入し、すべての手指と剪刀の接触面積を増やすことで手に馴染む形にしました。これにより刃先のブレを抑えることと、刃先に指の力を正確に伝えるという基本機能を大幅に向上させることができ、同時に、剪刀の持ち手が指に食い込むという既存製品の不具合も解消しました。また、平らな器械台から容易に取れることで、円滑な受け渡しが可能になりました。更に、刃先の先端に黒色レーザーマーキングを入れることにより、内視鏡の拡大画面上で、刃先が組織に侵入する深さの視認性を向上させました。

人間工学的配慮視点

剪刀の持ち手に、手術者の手指が馴染み、接触面積が十分得られるため、器具の操作性が向上し、手術の質の向上に貢献できます。刃先のブレが無くなり、指先の操作が刃先に正確に伝わることは、無駄な出血や予期しない損傷を回避し、手術の安全性を増します。更には、手術者の指が痛くないので、手術への集中力が持続できること、内視鏡ライトでの反射を抑えて刃先の視認性が向上することは、手術者に優しい医療器具とも言えます。
刃先の切れ味も含め、既存の製品より機能が上回ることを、鶏肉剥離操作実験を行い、効果を確認しています。

開発秘話

担当者写真

近年、医療現場では、医療事故・ヒヤリハット事故が起こりやすい状況にあります。特に、手術は、医療事故が起こりやすい環境にあり、それを未然に防ぐ医療器具の改良は重要です。医師が快適に仕事に打ち込めるように、手術環境を整え、より良い状態で、手術に挑んでもらうことが急務だと言われています。
製品開発に当たり、現状使われている剪刀の固定概念を捨て、改良点や理想形状などについて、複数の医師の自由な討論を基に、そのアイデアをまとめ、製品化を前提にした開発コンセプトに沿うデザインと試作・修正を繰り返す作業を行ないました。この間、手のひらの長さや指の長さ・太さは、個人によってばらつきがあり、持ち手の部分の角度・幅・大きさなど決まりにくい状況が多く、10回以上試作を重ね、その度に医師からの総合評価を受けることにより、最終的に、日本人医師の希望に適う形状を追求した結晶として、本対象品が出来上がりました。

【共同研究者写真】
(左上)千葉大学 フロンティアメディカル工学研究開発センター
    手術・生体機能支援機器研究部門 教授 五十嵐辰男
(左下)千葉大学 フロンティアメディカル工学研究開発センター
    開発設計試作工房室 関根雅
(右上)株式会社東光舎 常務取締役 井上研司
(右下)千葉大学大学院 工学研究科デザイン科学専攻 准教授 下村義弘


評価結果データ
特許・意匠登録番号

実用新案登録 第3131458号「剪刀」

推薦者

日本人間工学会 広報委員会

お問い合わせ
企業名・担当部署名

株式会社東光舎メディカル事業部

その他連絡先

株式会社メディカルR&D

掲載URL

http://www.medrd.jp/supersentou.htm

製品発売時期

2008年

更新日

2009年03月17日

開発者とのQ&A
実際の医療現場で使った評価結果などがございましたら、教えて頂けないでしょうか?(癒着の剥離について、使用した外科医師の評価など)
【担当者からの回答】
これまでに鶏肉の皮剥離実験のほか、動物実験(豚)で何名かの医師が使用して高評価を得ています。実際のヒトの手術シーンではこれから数多く使われる予定です。切れ味以外も含めた全体的なユーザビリティの高さは、現場でより有利と考えております。
ご案内

応募企業への質問は「お問い合わせ」欄のご担当者に直接ご連絡いただくか、または広報委員会までご連絡ください。事例応募者と質問者双方から了承が得られた場合は、そのQandAの内容を広報委員会までお知らせいただければ、本欄に情報を記載いたします。ユーザのちょっとした疑問・質問に人間中心設計のニーズが隠れているかもしれません。開発者とユーザ間のコミュニケーションの場としてご活用ください。



 


ページのトップへ