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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-111 マツダアテンザに搭載したCF-Net

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概要
製品の概要

ステアリングリモートコントロールスイッチとインフォメーションセンターディスプレイを組み合わせて、ステアリングから手を離さずに、オーディオの音量、ソースの選択や、エアコンの温度、風量などの設定と、トリップコンピュータの表示情報の選択を操作できるようにしました。

人間工学的配慮視点
  • ドライバーが触るスイッチと、ディスプレイの表示が人間の感覚に自然に一致するようにしました。具体的には、インフォメーションセンターディスプレイに表示/操作対象を横一列に並べ、この選択を横方向のスイッチで操作して行い、その後の調整操作は、上下方向のスイッチで操作する方式として、選択は左右、調整は上下の原則を一貫させています。
  • ステアリングリモートコントロールスイッチの形状は、中央に上下方向操作用のトグルスイッチを設け、それを挟んで左に左方向、右に右方向への操作用押しボタンスイッチを設け、上下方向と左右方向のスイッチ形状は大きく異ならせています。この結果、スイッチを見なくても中央の上下スイッチの容易な判別と、そこを基準に右/左のスイッチの押し分けを可能にしています。
  • インフォメーションセンターディスプレイはインパネの遠方上方に配置し、運転中の操作時の視線の下方移動量を小さくしています。
  • 走行中の操作にフォーカスすることで、提供するサービス数を徹底して絞り込み、シンプルな操作を実現しています。
開発秘話

表示と操作の原則に従ってプロトタイプを作成しましたが、それを用いた評価では思いがけない結果がしばしば生じ、何度も改善と評価を繰り返して細部の設計を煮詰めていきました。例えば、ヨーロッパでのテストでは昼間走行して、その結果必要なソフト改善を夜の間に日本で行い、翌日改良版で走行するといった24時間体制で改善を重ねました。ヨーロッパのような超高速走行で車を使う地域では視線移動や視認時間を少なくすることが人間工学的に大きな要件となり、走行中の瞬間的な視認で点滅と消灯の区別をつけ易くするカーソル表示の点滅パターンの検討に数週間を要したことなどもありました。

初期の実験ではよい結果でなく、途中で不要論も出て諦めようかという時期もありましたが、上記のように表示と操作の原則を基本に、現場現物で評価しながら設計を煮詰めていくことで徐々に改善され、紆余曲折を乗り越えてモノになりました。


推薦者

認定人間工学専門家 石橋基範

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企業名・担当部署名

マツダ(株)技術研究所

更新日

2008年08月21日



 


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