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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-106 白内障研究による表示改善を行った商品事例

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概要
製品の概要

白内障要手術レベルでも見ることができるレベルの表示を採用した商品。

人間工学的配慮視点

現代における要手術段階の白内障の代表的と言える視覚を再現し、擬似フィルター化してモニターが利用することによって表示の改善に役立てるというのが主眼です。何段階もの調査から暗さ・色覚変化・かすみの三つの成分からなることを導き出し、それぞれの調査結果中央値を組み合わせることでだれもが利用できる疑似体験フィルターの作成にこぎつけました。ただそれだけでは不十分で、同時に照度・視認性研究も行い、諸家電商品の設置場所の照度も測定し、その80パーセンタイル値の平均値80ルックスを基準照度とし視認性検討の条件を定めました。これら検討の条件が整ったところで現実の商品の実態を知ると共にどこまで見やすくすれば適当なのか調査しました。結果的にはその当時の水準からすれば文字の大きさやコントラストなどをかなり改善する必要がありましたがその水準は荒唐無稽なものではありませんでした。従来からのぞましいとしていた社内基準の今一段の厳しさであったことがたまたまですが着地としては無理のない結果であったと思います。これによってあらゆる家電商品が画期的に改善でき、以降一般健常者にとっても当然非常に見やすい表示になっています。これはどの商品にも適用できる永続性のある成果です。

開発秘話

担当者写真

ユニバーサルデザインの推進にあたってまず高齢者への対応を考えた時、第一に重要なのは視覚です。その中で矯正できない視力低下を伴う老化現象である白内障への対応を考えました。しかしその視覚がどんなものか適切な擬似体験ツールも無く、自ら開発に乗り出さざるを得ませんでした。そこで高名な眼科医院に協力を仰ぎました。特別なコネも無い中、勇気を出してお願いしました。最初はいぶかしく思われたことと思いますが次第に意義を共有していただき有用なアドバイスもいただけるようになっていきました。試行錯誤を経て本調査では両眼白内障で片眼手術後三日という条件の精度の高い被験者を確保していただきました。調査分析からゴーグルとしての完成まで本社スタッフの大きなバックアップが得られたことも大きな成果に結びついています。


評価結果データ
推薦者

認定人間工学専門家 西山憲治

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更新日

2008年08月21日



 


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