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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-170 立位疲労軽減シューズ スタンドイーズ

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概要
製品の概要

本製品は、ノンデスクワーカー比率の上昇を背景に開発された、立位時の疲労軽減に特化したシューズです。
立ち仕事、行列待ち、イベント参加など、日常生活における長時間の立位を想定し、特に脚部への負担を軽減できるよう設計しています。

<人間工学的配慮視点>
長時間の立位によって生じる足の疲労・痛み・だるさなどの身体的負担に着目し、その軽減には安定性・クッション性・足底圧分散といった人間工学的要素が重要であると考えました。本製品では、以下の構造を組み合わせることで、これらの要素をバランスよく備えました。

(1)2層式インソール
高反発素材と低反発素材を組み合わせた極厚インソールを採用し、クッション性を保ちつつ足底圧を分散。安定性と快適性の両立を図りました。

(2)形状・配合を最適化したミッドソール
軽量性と弾力性のバランスに優れたEVA素材を使用し、足ブレを抑える形状設計とクッション性を確保する配合調整を行いました。

(3)姿勢の安定性向上
当社特許「3点支持構造(距突・立方・母趾骨)」により、立位時の動揺を抑え、身体のバランス保持をサポートします。

この構造により、一定条件下の試験では下半身の疲労スコアが加重平均で約46%減少。また、実使用環境に基づくモニターテストでは、疲労を感じていた方の90%以上が「楽になった」と回答し、履き心地やクッション性についても高評価を得ました。

開発秘話

「履いた瞬間に快適で、立ち続けても疲れにくい」シューズを実現するため、試作と評価を幾度となく繰り返し、以下の三つの課題を同時にクリアしました。

①クッション性と安定性の両立
立位時の痛みや疲労を抑えるには高いクッション性が不可欠ですが、柔らか過ぎれば安定性を損ないます。硬度・厚み・配置を変えた数十通りの組み合わせをテストし、これら要素を両立する最適構成を導き出しました。

②履いた瞬間の心地よさの追求
本製品の効果は履き続けることで実感できますが、購入時の印象に影響する履き心地も開発初期から重視しました。特に足裏に最も近い2層式インソールは、履き心地に関わる重要な要素で、足圧分散やクッション性、快適性を体感できるようにしました。

③市場浸透価格への挑戦
特殊素材や高コスト製法に頼らず、一般的な素材で性能を引き出す設計を選択。材料種類・硬度・構成を最適化し、機能を損なわずコストを抑えることに成功しました。


評価結果データ

・脚部の主観的負担度評価: 疲労度の定量化 (評価データ1)
・靴の主観評価: 安定性、クッション性の評価 (評価データ2)
・重心動揺計測: 床反力計による足圧中心の計測 (評価データ4)
・足圧分布計測: 足底圧荷重値と面積の測定 (評価データ5)
・モニターテスト: ユーザーの実使用環境での評価 (最終評価)

特許・意匠登録番号

特開2016-36704

推薦者

広島県立総合技術研究所 西部工業技術センター 生産技術アカデミー 横山 詔常様

お問い合わせ
企業名・担当部署名

シューズ事業本部 商品企画グループ 機能開発課

掲載URL

https://www.hiroshimakasei-shoes.jp/stand-es/

製品発売時期

2025年8月

更新日

2025年12月04日



 


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