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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-164 通学用子供カバン SPRINGLOBE™

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概要
製品の概要

海外の児童(小学校低学年)向けの通学用カバン。
国内のランドセル開発で培ってきた技術とノウハウをもとに、海外特有の使用状況を加味した通学カバンを開発しました。
販売対象である中国では、通学カバンに水筒を入れることが一般的です。また、日本と同様に通学の際の荷物による子供への負担が懸念されています。そして、カバンを教室机の引出の中に入れる学校もあることがわかりました。これらの条件を満たしつつ、さらに「子供の負担を軽減する」ための構造と素材の検討を繰り返し行い開発しました。

人間工学的配慮視点

子供の負担を軽減する方法として下記3点の機能を実装しています。
(1)バックパネルの内側に湾曲した板を入れています。この板により、カバンの重量負荷を肩だけでなく腰部でも受け、走行時のカバンの揺れを小さくなるように工夫されています。この板のプロトタイプを複数作成し、素材、形状や位置を主観評価及び複数のセンサーによる測定の結果から検討して決定しました。
(2)背部腰部に沿ったバックパネルの湾曲形状を小学生の身体形状計測から導き出し最適化を行いました。
(3)身体に接触する背面及びショルダーストラップ部分には、通気性を考慮したメッシュ素材を使用しています。

開発秘話

【開発体制について】
本製品は、神戸大学大学院システム情報学研究科(大学)、兵庫県立工業技術センター(公設試験研究機関)と株式会社セイバン(企業)の3者による産学共同研究で開発されました。三者による定期的なミーティングと実験を繰り返して開発した。

【人間工学実験について】
コロナ禍での開発であったこともあり、被験者実験は必要最低限に留める必要がありました。そのため、初期段階では被験者の代わりにマネキンを用いて検証しました。
最終案を2点まで絞り込んだ後、被験者実験を実施しました。
被験者実験では、「直立時」と「歩行・走行時」の評価を行いました。直立時の評価では、被験者に圧力センサと赤外線マーカーを取り付けて床反力計の上で30秒立ってもらいました。歩行・走行時の評価では、IMUセンサを被験者とカバンに取り付け、15メートルの廊下を歩行・走行してもらいました。


評価結果データ
推薦者

野中隆、平田一郎

お問い合わせ
企業名・担当部署名

株式会社セイバン・R&D部

担当者名

野中 隆

その他連絡先

神戸大学 中本裕之,
兵庫県立工業技術センター 平田一郎

製品発売時期

2023年7月

更新日

2023年12月18日



 


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