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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-160 マスピタ(内視鏡用)

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概要
製品の概要

近年、通称胃カメラと呼ばれる上部消化管内視鏡検査では、SARS-Cov-2流行に伴い患者の口元から出る飛沫を軽減する対策が喫緊の課題となりました。マスピタ(内視鏡用)®は、主に経鼻内視鏡検査における患者口腔内からの飛沫軽減対策のための製品です。伸縮素材を使用し、不織布マスクや不織布ガーゼの上から装着することでマスクの隙間をなくし、飛沫を軽減する効果があります。

人間工学的配慮視点

ISOの人体寸法データを基準に、マスピタ(内視鏡用)®のサイズ設計を行いました。また、ユーザビリティに対して耳の部分にマークを付けることで上下の認識を容易にした点と、患者アンケートを実施し評価をしました。81名に対する患者アンケート結果は、マスピタ(内視鏡用)®装着時の耳の痛みに対して、全く痛くない:96%(78名)とマスピタ(内視鏡用)®と不織布ガーゼの併用による苦痛に対して、苦痛なし:90%(73名)でした。環境に対する配慮として、使用している伸縮素材は製造過程において一切の有害物質を排出せず、洗浄・消毒に対しても製品耐性があり繰り返しの使用が可能 です。最終的には可燃物として廃棄が可能で燃やしても有害物質は発生しません 。パッケージも簡素化し、古紙を使用した梱包箱を利用しています。飛沫軽減効果については、レーザー光での撮影で評価を行い、飛沫対策を行わない場合に比べて飛沫軽減効果があることを確認しました。

開発秘話

2020年3月、SARS-Cov-2流行時に内視鏡検査の制限が入ったが、必要に応じて内視鏡検査を実施する必要性がありました。検査中の飛沫軽減対策は必須となりましたが、医療資源不足に陥り、検査時に患者に対して不織布マスクの提供は困難でした。山下病院では市販用マスピタ®と不織布ガーゼを併用して飛沫軽減対策を行いました。経口内視鏡に比べ嘔吐反射の少ない経鼻内視鏡検査は鼻を出して検査する必要があり、市販サイズのマスピタ®は顔の小さい方の場合、検査中に耳の引っ掛かりが外れてしまうなどの不具合が多く見られました。山下病院から(株)タナック様へ持続可能な消化器内視鏡医療体制を構築するために必要な飛沫軽減対策の一つとして 、内視鏡用に適したマスピタ®を共同研究開発出来ないかアプロ―チを行い、(株)タナック様もSDGsに対する取り組みと医療現場における問題解決に尽力したいという点が合致し、マスピタ(内視鏡用)®を開発しました。


評価結果データ
推薦者

広報委員会

お問い合わせ
企業名・担当部署名

医療法人山下病院 サステナビリティ推進室

担当者名

常見 麻芙

e-mail

sdgs_yamashita@yamashita.or.jp

掲載URL

https://maspita.k-tanac.co.jp/endoscope/

製品発売時期

2022年1月

更新日

2021年12月31日



 


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