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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-146 モバイルPCサポートユニット 「Shift (シフト)」

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概要
製品の概要

シフトはノートパソコン作業時の首と手の疲れを共に少なくするために考案した椅子と机です。座った瞬間に、椅子が後傾して視線を下げ、天板を手前に傾けた机で前腕を支えることで、キーボード操作を楽にしています。また、天板の手前に窪みをつけて体をノートパソコンに近づけ、手にも目にも無理のない距離を保てるようにしました。

人間工学的配慮視点
  1. 低座・後傾姿勢と背座の3次元形状
    ノートパソコンに適した「低座・後傾」姿勢をとれるチルト機構と背座の3次元形状により、従来の椅子と比べ、着座時の接触面積が背では11%,座面では9%増加し、姿勢が安定することで座り直しの回数が減少します。また、首や肩、腰の筋負担は、首では25%、肩では9%、腰では26%軽減することが確認できました。
  2. 男女の体格差に対応する座面形状
    男女の座り方の違いに着目し、足を閉じて座る女性のために座面中央の奥行は小さく、足を開いて座る男性のために座面外側の奥行は大きくし、かつ、大腿側面を支える傾斜をつけました。これにより小柄な女性でも膝裏の圧迫が解消され、足のむくみが35%減少しました。
  3. 視認性・操作性を高める天板
    キーボード面を10°程度傾け、書字作業もしやすくするために、実験と実用評価で天板角度を6°にしました。キーボードの傾斜は、手首の負担を軽減すると共に、キーボード面の視認性を高める効果もあります。
開発秘話

どこでも仕事ができるノートパソコンは、便利さの反面、長時間の不良姿勢を強いている。このため、背座形状を任意に変えることができる実験椅子を用い、ノートパソコン作業に適した支持面形状を探索した。製品化では、この複雑な形状を忠実に再現することに苦労した。背と座に入れた縦方向の引き込みは、デザインのアクセントだけでなく、複雑な曲面を実現するための機能も果たしている。また、布の裁断寸法と引っ張り力を何度も微調整した。この結果、薄めのクッションでも、座った瞬間に身体に自然とフィットし、柔らかく、コンパクトなデザインとなった。このコンパクトさは、在宅勤務などにも使えるようにこだわった点である。一方、机は足を前方に伸ばせるようにし、机に接近しやすくした。また、アルミ脚は片側にローラーキャスターを内蔵させ、手前をアジャスターにすることで、脚ベースの厚みを薄くし、机から出入りしやすく、動かしやすくした。

デザイナー  原 永祐、細谷 らら


評価結果データ
特許・意匠登録番号

特許:特願2013-227363他2件 意匠1503099他14件

推薦者

認定人間工学専門家 浅田 晴之

お問い合わせ
企業名・担当部署名

(株)岡村製作所マーケティング本部オフィス製品部

担当者名

高橋 卓也

その他連絡先

■共同開発者
慶應義塾大学 名誉教授 山崎信寿

■連絡先
(株)岡村製作所 お客様サービスセンター
0120-81-9060

掲載URL

http://www.okamura.co.jp/product/seating/shift/

製品発売時期

2014年1月

更新日

2015年05月18日



 


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