会報・人間工学専門家認定機構 Vol.64

Vol.64 2021年2月26日
会報・人間工学専門家認定機構広報担当

目次

機構長あいさつ

第9期機構長 八木 佳子(株式会社イトーキ)

2020年4月に第9期の機構長を拝命してもうすぐ1年になろうとしています。

拝命直後は良いスタートを切れたとは言いがたく、あっという間にこんなに時間が過ぎてしまった、、、というのが正直なところです。

しかしこの混乱期だからこそ、私自身が人間工学の重要性や可能性を再認識することができ、認定人間工学専門家の皆様にもっとご活躍いただけるような機構にしようという想いを強くしました。

また関係者の皆様のご尽力により、新しい活動への取り組みも始まっています。

まず先日は、新しい活動案「ISO提案プロジェクト」に対するメール審議にご協力いただきありがとうございました。短い回答期間であったにも関わらず、多くの方から返信をいただき、多数のご賛同により2021年4月から取り組むという意思決定ができました。改めまして御礼を申し上げます。

自由記入欄にいただいた真剣なご意見も心強く感じました。今後の活動に活かして参ります。

3月には、こちらも機構としては初の取り組みとなる「オンラインワークショップ」を実施する予定です。例年ですと、専門家としての知識のブラッシュアップになるようなセミナーと、会員同士の交流を主な目的としたCPEサロンというイベントの両方を実施していましたが、対面で集まるのが難しい中、オンラインワークショップを体験いただくと同時に、ワークショップを通じて交流の機会としてもご活用いただければ、という意図の企画です。ぜひご参加ください。

まだまだ混乱が続く中ではありますが、どうぞ皆様ご自身のWell-beingを第一に、そして専門家として社会のWell-being & Performance向上のためご活躍くださいますようお願いします。

コラム

報告:新型コロナウイルス感染症とCPE会員/オンラインアンケート調査結果

山本雅康(UXリサーチャー)

時間が経ってしまいましたが、昨年2020年5月末に実施した『新型コロナウイルス感染症対応に関する緊急調査』について報告します。

機構では、日本人間工学会から新型コロナウイルス感染症防止・予防の企業事例収集の依頼を受けたことを機に、当機構会員を対象に感染防止・予防対策事例、政府緊急事態宣言(2020年5月)前後の業務形態、専門家としての関与や、業務への影響などについてのアンケート調査を実施しました。

1.調査の概要は以下の通りです:
・調査方式:マクロミル社のQuestantを使用したオンラインアンケート
・調査期間: 2020年5月25日(月)~6月3日(水)
・調査対象・回答者:当機構会員・162名(44.6%)

2.調査結果でわかったこと、実現できたことは以下の通りです:
わかったこと(詳細は、後述リンクの結果速報をご参照ください)
・機構メンバーの緊急事態宣言(5月)前後の業務の仕方
緊急事態宣言後は 80% 以上の専門家がリモートワークを経験
・機構メンバーの新型コロナ状況下での専門家としての関与度
業務内容については、会社従業員では約 32 %、学校関係者では 47 %が新型コロナウイルス感染症の対応関係業務に関わっていることが分かった
・機構メンバーの組織での感染防止、感染予防対策事例
約半数は、感染防止、業務継続、健康維持について独自の工夫を実施し、その内容は人間工学に関係する内容も含んでいる
・機構メンバーの専門業務に関して困ったこと

実現できたこと
・初のCPE会員を対象としたオンラインアンケート実施
・調査で回収した情報の分析結果を公表し、情報を共有(2020年7月)

最近SNSに関する現代病として、FOMO(fear of missing out: 取り残される不安と恐怖)が取り上げられています。世界中で移動や人と会う機会を制限されている中で、SNSによる情報享受や情報共有への依存が高まることから起こると考えられています。しかし、これに似た心理状態は、社会交流チャンネルの限られている専門家においても起こりやすいと予想されます。昨年夏に本調査の速報を機構メンバーや人間工学関連従事者に共有できたことで、少しでも疎外感緩和や思索の助けになっていれば幸いです。

調査結果の詳細は、下記よりダウンロードしてください。

アンケート結果・自由記述(PDF 2ファイル)

https://www.ergonomics.jp/cpe/publications/material#coviddocument
質問・要望まとめ(会員限定):リンク先は2020年8月3日付け『アンケート調査結果のご報告』案内メールをご覧ください。

専門家の新規登録

(50 音順、敬称略)

  • 認定人間工学専門家
    (11月1日認定)鈴木実佳、西島麗
  • 認定人間工学準専門家
    (5月1日認定)風間隼、川本健太、木村知裕
    (8月1日認定)河合春樹、佐藤健斗、髙橋梓帆美、武末慎、野村英
    (9月1日認定)久保武尊
    (11月1日認定)青木智暉、大西剛史、山本恒行
    (12月1日認定)松田康太
    (2021年1月1日認定)榎原瑠美、堀江志織
  • 認定人間工学アシスタント
    (5月1日認定)谷口克彦、松岡修平、由田修一
    (8月1日認定)納本和寿
    (2021年1月1日認定)松浦翔

認定状況

2021年1月31日現在(2020年4月1日からの人数増減)

  • 人間工学専門家     211名(- 3名)
  • 人間工学準専門家    154名(+10名)
  • 人間工学アシスタント 14名(+5名)
  • シニア人間工学専門家   13名( ± 0名)

編集後記

前編集長降任後の初めての会報発行に、大変時間がかかってしまいました。

本号からは、新幹事体制で皆様とのコミュニケーションの在り方を模索した結果を反映した、新しい仕組みとスタイルの会報になります。

・PDFフォーマットを廃止しWEB版のみになります。
CPEホームページ内外の情報へのリンクを活用し、より立体的な情報をお伝えすることができるようになります。印刷版は年一回発行を予定しています。

・会員参加型の会報にします。
記事は、幅広い会員の皆さんの日頃の取り組みや、日々感じられていることなどを盛り込んでいくように取り組みます。また、各号にSNS共有ボタンが付き、活用しやすくしました。

・発行回数を増やしていきます。
ホームページの機能追加により、会報を効率よく発行できるようになりました。準備が整い次第、より頻繁に会報を発行し、タイムリーなコミュニケーションができるようにしていきたいと思います。

今後とも、よろしくお願いいたします。(広報担当 山本雅康)

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