ごあいさつ

若い人間工学研究者が自由に活躍できる支部を目指して

日本人間工学会東海支部支部長 斎藤 真

斎藤 真
日本人間工学会東海支部支部長
斎藤 真

令和2年4月より引き続き,第7期東海支部支部長として再任されました三重県立看護大学の斎藤真です。浅学,未熟の身でありますが,精一杯その職責を果たしてまいりますので,よろしくお願い申し上げます。

さて,東海支部は会員数約130名と学会では関東,関西の各支部に次いで三番目の規模ですが,毎年の研究大会において20~30の研究発表がなされ,その多くが学部生や大学院生を中心とした若い方々であることが最大の特徴です。また東海支部は,物作りの拠点である愛知県を中心に,大学関係者のみならず,自動車関係をはじめ多くの企業の方々が参加されています。さらに 東海支部は「初学者のための人間工学測定技法」をシリーズで開催しております。人間工学を広く普及させ,本学会の会員を増強させていくためには,若い研究者や実務者を対象に人間工学の測定技法について教育を行うことにいたしました。東海支部は,支部会員が力を合わせて「若い人を未来の人間工学プロパーとして育てていこう!」という熱い気持ちを持っております。

ところで日本人間工学会が1964年に誕生して約半世紀になりますが,人間工学をとりまく諸問題は多岐にわたっていることに加え,内容も複雑化してきております。特に近年のインターネットの拡大に端を発したモバイル通信端末の爆発的普及は,さまざまな分野において諸問題を発生させています。単なる計算機であったコンピュータが,1970年代後半頃からVDT労働という人間工学的問題に発展し,さらにモバイル端末やテレワークとして今後も人間工学的な課題を残しそうです。人間工学の普及が,さまざまな分野において浸透し,子供からお年寄りまで全ての人々が安心して暮らせる社会をつくることができれば,実学として本当に意義深いものとなるでしょう。そのためにも,若い世代が活躍できる支部を創ることは意義のあることと認識しています。

最後に,私は,日本人間工学会東海支部支部長として支部を活性化させるとともに,その研究成果を広く世に還元していけるよう努力する所存でございますので,会員の皆様から忌憚のないご意見,ご指導,ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。