ほとんどの学校はコンピューター専用の机や椅子などを準備する資金的余裕がありません。したがってコンピューター作業用の机や椅子などの設備は，すでにあるものを流用することがよくあります。通常，机や椅子は，標準サイズがひとつあるだけで，調節できません。

１年生の生徒	５年生の生徒

小学生は，低学年と高学年で体格が大きく異なるので，全生徒にとって心地よくフィットするために，なんとかして調節してあげる努力が必要です。

調節できるようにするためには，人間工学上配慮した設備が必要であることは，誰もが認めることだと思います。予算がない，または予算少ない場合でも，人間工学上最適にセットアップすることができます。私達の目的は，できるだけ生徒が快適となるように，そしてよい作業習慣を容易に身につけることができるようにすることです。もし生徒たちが，コンピューター機器や設備を自分たちにうまく合わせる方法を，低学年で身につけることができれば，その後ずっと，同じような調節をすればよいのです。

何をすればよいの？：
あなたの生徒が以下に示す姿勢がとれるように援助してあげましょう。

すでに皆さんご存知のように，ほとんどのワークステーションは生徒にうまく合っていません。ここでは，先生が生徒にコンピューター機器や設備について何をすればよいのかを教えることができるように，お金のかからない，あるいは低予算で実現できる改善方法の一例を示します。

	何をすればよいか？： 首をやや前方に曲げ，頭部は床に対して垂直になるようにします。すなわち上半身がやや後傾となります。 実施方法： 自作の簡易書面台として，パソコンに書面を留めています。すると生徒にとってちょうどよい距離，高さで操作できています。
	何をすればよいか？： 画面上の文章に眼の高さを合わせます。肘はキーボードの高さに合わせます。 実施方法： 座面を高くできるものを探しましょう。 この女生徒の場合，最適な高さにするために，捨てられていた古い本の上に座ることにしました（短時間だけ！）。
	何をすればよいか？： 足のせ台（フットレスト）を利用します。 実施方法： 捨てられていた３穴バインダーで，自作のフットレストを作っています。

実施方法についての多くの例を次のセクションで紹介します。