■第40回日本人間工学会中国・四国支部大会 特別講演

◇演題:「セイフティレコーダの開発とその活用による交通安全への取り組み」

◇講師紹介
 株式会社データ・テック 代表取締役社長 田野 通保 氏
 [略歴]
  1981年3月: 東京都立大学大学院物理卒業
  1983年7月: 東京都港区赤坂にて会社創立
  1985年11月: 東京都大田区蒲田に移転
  1989年3月: 長野県諏訪市に開発センターを設置
  1997年5月: 東京都大田区蒲田に基礎理論研究所を開設

◇概要
 「飛行機のフライトレコーダのような装置を自動車にも積めるはず」とセンサー技術を応用して交通事故の原因を解析するシステムを開発した.
 車の中に置く「セイフティレコーダ」が,常時車の速度や走行方向を測定する. 事故という「異常」を感知すると,発生時点の前後一定時間のデータを記録する. ブレーキを踏んでいないことやハンドル操作をしていないことが科学的に分かり,運転中の突然死や居眠り運転ではないか,との推測が容易となる. 聞き取りや現場検査など,多くの人手に頼っている事故原因の究明や損害の査定が大幅に簡素化されそうで社会的関心が高い.
 株式会社データ・テックは,手ぶれ防止用振動ジャイロセンサー(角速度を計測する)を使って,世界で初めて「バーチャルリアリティ用小型3軸角度センサー」を生み出した会社である. そして,動いているものを,ジャイロセンサーやGPSなどを用いて計測し動きを把握することを最も得意とする会社である.
 このような背景のもとで開発した「セイフティレコーダ」に関する試作から製品化へのプロセスや,事故の予防や乗務員教育,さらに燃費向上にも役立ってきている現状などについて, 常に最前線で活躍されてきた講師から,技術と活用の現状とさらに将来展望についてお話しいただく.