9.8 オフィス作業−表示色の要求事項(ISO 9241-8:1997のJIS対応)

JIS Z 8518(案)

規格内容概要: 本JIS原案は、ISO 9241-8: Ergonomic requirements for office work with visual display terminals(VDTs)-Part 8: Requirements for displayed colours(1997)の翻 訳規格である。平成8年度に原案作成委託を受けて編成された17名の委員よりなる「日本人間工学会 JIS Z8518 作成委員会」により9回の熱心な審議、電子メールによる効率的な事前審議を経て、1997年3月 にJIS規格原案を工技院に提出した。原規格は、1997年4月にFDIS投票が行われ、1997年10月1日に国際規格として発行された。その後、修正及び制定した国際規格との整合のための変更作業を行い、現在工技院でJIS化の手続き中である。この規格は、色画像、色の見え方及び色識別について述べている。この規格に規定する仕様、測定手法及び試験手順は、色画像を生成するディスプレイのためのものであり、特に指定がない限り、ディスプレイの種類を問わない。また、この規格は、色覚正常な利用者にとって必要最小限の要求事項を満足する、コンピュータディスプレイ上の画像に関する仕様である。この規格に準拠するディスプレイは、色覚異常者にとって次善のものになる。ユーザが自由に表示色や文字寸法を変えることができるようになった今日、従来は見易さを確保する責任はメーカに任せていたが、ユーザ自身の責任で対応が必要なわけで、本規格の重要性はますます高くなると考える。

原案作成経過概要: 色彩用語との整合性を重視し、色彩学会及び照明学会と協力して、用語の統一に努めた。原規格の骨子は1990年代初頭のディスプレイ技術に依存していたため、 基本は文字の読みやすさに置かれている。このため孤立したシンボルの寸法解釈については議論があり、この点に関しては解説として示してある。なお、本規格は、1998年度中に JIS化される予定である。

福住 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998