9.5 人間工学−視覚表示装置を用いるオフィス作業−総論
   (ISO 9241-1:1992,1997のJIS対応)


JIS Z 8511(案)

規格内容概要: 本JIS原案は、ISO 9241-1 Ergonomic requirements for office work with visual display terminals (VDTs) - Part 1 : General introduction(1997)の翻訳規格である。本規格は、システムの設計者、採用者、管理者、利用者にとって、製品及びシステムが人間の使用に適当であるかどうかを判断することの重要性を説明し(人間の能力への配慮を欠くことは、結局は無駄が多く、効率があがらず、仕事をうんざりとしたものとしてしまう)、表示装置、入力装置、ソフトウェア、作業場、作業環境及び作業内容などで構成される製品やシステムを、想定される利用者の特性、能力及び限界に配慮した設計とすることが必要であると説く。そのためには、設計者、採用者、管理者、利用者のいずれもが、VDT作業が規格に適合しているかの確認作業に関わる必要があり、それを診断、判断するための手引きとして、全17部に及ぶ規格の概要、指針、及び利用者の作業性を用いた解析方法について解説している。

原案作成経過概要: 1995年にJIS原案作成委託を受けて、1995年7月に原案として配布されたISO/DIS 9241-1に基づき、これに対する投票審議と平行してJIS原案の作成を開始した。この時点でのDISは、規格の各部(17)についてかなりの部分を割いて説明する構成となっており、規格の導入部としては、冗長な構成となっていた。このため審議の結果JIS原案では規格の利用者との関係がわかるように、この部分を一覧表にまとめ付属書として書き直すものとし、DIS投票に際しては、このJIS原案の構成をもって修正意見とした。1996年3月JIS規格原案を工業技術院に送付し、その後1997年6月に原規格が改版され、一覧表形式がISで採用されたので、このISの修正を受け、JIS原案についてもISに対応した構成に修正している。

田中 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998