5.8 表示器及び制御器作動装置の設計における人間工学の必要条件
   −表示器及び制御器作動装置と人間との相互作用


ISO/DIS 9355-1
Ergonomic requirements for the design of displays and control actuators−Part 1 : Human interactions with displays and control actuators

規格内容概要:機械装置類の表示器と制御器作動装置の設計に適用する。機械装置類と作業者の関係の重要性と、不適切な場合は操作者ではなく、機械を変更することを明記している。機械装置と操作者の相互作用の人間工学原則として、ISO 9241-10の7つの原則の内6つが箇条書きされている。6つの原則とはSuitability for task(仕事への適合性)、Self-descriptiveness(自己記述性)、Controllability(可制御性)、Conformity with user expectations(利用者の期待との一致性)、Error tolerance(エラーへの寛容さ)、Suitability for learning(学習への適合性)である。

審議経過概要:本規格は、CEN/TC122/WG6で審議され、ISOとしてはISO/TC159/SC4/WG1 が扱うがCENとISOの併行投票を行うものである。我が国は審議に参加できていないこともあり、審議経過は不明である。1994年5月CD投票に際し、日本は反対投票を行った。1998年2月締め切りで、DIS投票が行われ、日本、米国が反対したが、17/19で可決した。

日本の対応:日本は第1回CD投票、DIS投票とも反対投票を行った。CD投票では以下の意見で反対投票とした。Part 1は基本的なことを論じているので、Part 2、Part 3 と分離し別規格にし、SC1で審議するべき。ISO 6385 の改訂時に認知科学の概念を入れることが必要で、SC1議長とSC4議長が審議し調整するべきである。Part 1で述べた基本概念が、Part 2, Part 3 をカバーするべき。Control actuators は何か動くもののように思えるので、広く使用されている Controls という言葉に置き換えよ。要求項目がないのだからタイトルを原理に変更せよ。DIS投票では、規格の体裁がCENの様式になっていることを指摘し、ISO様式に修正されれば、賛成に回る立場をとった。

中野 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998