3.17 中等度温熱環境−PMVとPPD指標の算出と快適温熱環境の仕様

ISO 7730:1994
Moderate thermal environment−Determination of the PMV and PPD indices and specification of the conditions for thermal comfort

温熱環境の6要素(気温、湿度、気流、放射温度、着衣量、代謝量)の複合効果をどのように評価するかについて、デンマ−ク工科大学の Fanger 教授が提案したものである。中等度温熱環境に曝された人々の不快の程度(PPD)と、温冷感段階(PMV)を予測する方法を提示し、また、快適な温熱環境の条件が明確に述べられている。すなわち、温熱環境の6要素を代入すると、その条件で、暖かいと感じるか、寒いと感じるかを数字として表現してくれる。PMV=0 では、95%の人が快適であり、-0.5<PMV<+0.5 の範囲では、90%の人が快適となることが、1300人に及ぶ被験者実験から確かめられている。アメリカの ASHRAE では、新有効温度が使用されることが多いので、今後、調整が必要となろう。次年度に改訂予定で、他の基準 ISO/TC205(ビル環境設計)、さらには Long term thermal comfort, Adaption との関連が問題となろう。

栃原 記



ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: Jun 12 1998