1.わかりやすく使いやすい人間工学の規格に
ISO/TC159国内対策委員会委員長
青木和夫

 委員長を引き受けてから3年が経ちました.この間,ISOに関する国内の情勢が大きく変わりました.それは,ISO/IEC Guide 71が日本の主導で成立し,国内では高齢者・障害者に配慮した設計に関するJIS規格が次々とできてきたことです.我が国が障害者・高齢者の規格の分野で世界をリードしようということで,人間工学のISO規格にも高齢者・障害者配慮に関する規格の新規提案がなされてきました.そのひとつが,我が国が世話役となったTC159アドホックグループの活動で,引き続きTC159/WG1というワーキンググループが新設され,日本がコンビナーと事務局を引き受けることとなりました.

 また,人間工学のISO規格の中でも最も基本的な規格であるISO 6385 Ergonomic principles in the design of work systems ( 作業システム設計における人間工学の原則)の改訂版が2004年2月に刊行されました。この規格は1981年に制定され,10年後の1991年に改訂版を発行する 予定で改定作業が始まりましたが,コンビナーの死亡など様々な問題で,結局10数年かかってやっと改定できたという規格で,感慨深いものがあります.私はこの規格の改定作業の2回目の会議から参加していますが,ずいぶんと時間がたってしまったものです.ISOの規格づくりには何年もの時間がかかります.最近では規格作成のスピードアップを図るようというので,ISO中央事務局からは3年から4年で完成するようにとの指示が出されています.

 一方,人間工学の規格が多くなりすぎているという意見があり,整理統合をする必要があるかもしれません.さらにISO規格がどのような場面で使えるのかがわからないという意見もあり,今回からこの便覧では一部ですが,規格の解説に次のような項目を盛り込むことにしました.
  ・誰が使うか?
  ・どのような場面でどう使うか?
  ・規格を使うとどのようなメリットがあるか?
今回の便覧ではまだすべての規格の解説にこのような内容を盛り込むことはできませんでしたが,次回の改訂の折には実現したいと考えております.わかりやすく,使いやすい人間工学の規格をめざしていきたいと思います. 


ISO/TC159 国内対策委員会
Last modified: June 1, 2004