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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

GL-110 陸上貨物運送事業における重大な労働災害を防ぐためのポイント冊子

画像

ガイドライン概要
概略
本冊子が作られた背景
陸上貨物運送事業(陸運業)における労働災害の7割は荷役作業中に発生しています。また,そのうちの7割が荷主等(荷主,配送先,元請事業者等)の事業場で発生している特徴があります。このような背景から平成25年3月に厚生労働省は「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」を策定し,事業者ならびに荷主等の実施事項を示し,災害防止に力を入れてきました。
概要
残念ながら荷役作業中の災害はガイドライン策定後も顕著に減少しているとは言いがたく,多くの死亡災害が発生しています。このように更なる対策が求められる状況下にありますが,死亡災害の多発を踏まえると重大な災害防止に焦点を当てることが重要です。そこで,平成25年に発生した陸上貨物運送事業における荷役作業時等の死亡災害の分析結果をもとに,労働者の尊い命を守るためには何が必要かを検討し,重大な災害を防止するための必須対策を災害パターン別にまとめた冊子を作成しました。
対象利用者・活用場面など

荷役作業に関連のある方であればどなたでも使えます。内容や表現も平易にしましたので,そのまま教材として使うことができます。

使い方の説明

実際にあった災害事例を見て,対策の意義は理解していても具体的な例示がないと現実的な対策にはつながりません。そこで,“できる対策”とするために,すぐに現場で実践して欲しい対策の実例はすべてイラストを用いて紹介しました。その他にも,荷役作業時の安全に対する意識をより一層高めてもえらえるように,保護具の効果やトラック装備の工夫に関する実例を紹介しました。具体的な内容は以下のとおりです。

1)保護帽の効果を知る
保護帽(ヘルメット)を着用していない例が多くありました。保護帽の着用に関して,作業者からすると着脱が面倒で,着用するだけで暑いのがデメリットですが,荷台で作業している際に墜落・転落した場合に頭部を保護する唯一の存在とも言えます。本冊子では保護帽(ヘルメット)着用の効果を具体的な計測値を示して解説することで,保護帽着用の大切さを作業者に納得してもらえるようにしました。
2)トラック後退時の後方確認の工夫を知る
トラックの後退時には誘導やバックモニター,後退警告音が活用されていますが,集音マイクを使っている事業場はほとんどないと思われます。本冊子では,福岡市の夜間ゴミ収集で活用されている集音マイクの効果を紹介し,集音マイク機能付のバックモニターの活用を提案しています。
ガイドラインを使うことによる利点、期待される効果など

死亡災害に至った原因分析だけでなく,今後同様の災害を起こさないために必要な対策をできる限り具体的に示すように努めましたので,本冊子の活用によって荷役作業の災害減少につながることが期待できます。

活用事例・文献・URLなど

公益社団法人全日本トラック協会:荷崩れ防止に必要な荷の固定・固縛
http://www.jniosh.go.jp/publication/houkoku/truck_201610.pdf
冊子の5ページ目で参照を求めている資料ですが,全日本トラック協会のご厚意により,安衛研ホームページより電子ファイル版をダウンロードできるようになりました。

推薦者

広報委員会

お問い合わせ
企業名・担当部署名

独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所リスク管理研究センター

担当者名

大西明宏

e-mail

aohnish@s.jniosh.go.jp

更新日

2016年12月02日



 


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