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人間工学応用事例(GPDB)・GPDB表彰

ED-148 Desktop Stool

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概要
製品の概要

<製品の概要>
本製品は、ノートPCをディスプレイとして活用するためのディスプレイスタンドである。本製品に開いた状態のノートPCを置き、外付けのキーボードやマウス等の入力装置と併用して使うことで、VDT作業による体への負担を軽減し作業者の能率を向上する目的で設計されている。

<製品開発の背景>
ノートPCはデスクトップPCと比較すると携帯性が高いが、キーボードやディスプレイの調節自由度が低く、使用者は前傾した姿勢に拘束される事が多く労働衛生的な問題も多い。また、小型のディスプレイは複数のウィンドウを参照する業務では作業者の能率が低くなる。多様な作業を長時間処理することが求められるマルチタスクな現代において、ノートPCの作業をより快適なものにする必要がある。

人間工学的配慮視点
  1. 姿勢を拘束しない
    作業者を「特定の条件下で最適な姿勢」に拘束するのではなく、作業内容や体の状態に合わせて姿勢を変えやすくする:

    • ディスプレイを適切な観視角や視距離の範囲に収める
    • シンプルな形状で設置を簡単にする
    • 握りやすく、適度な摩擦係数にて位置移動を容易にする

    説明画像

  2. 視点移動を減らす
    本製品の前部は傾斜しており先端に2つの突起がある。これにより、ノートPCのディスプレイのすぐ下の場所にスマートフォンやタブレット端末、紙の書類などの視対象を置くことができるため、手元に置いた時と比較して視対象間の視点移動を減らすことができる。

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  3. 使いたいと思わせる意匠と素材
    ユーザーが「使いたい・心地いい」と感じるような感覚的な視点:

    • 木材を使った丸みのある形状により、感覚的なぬくもりを実現する
    • 装飾性を省いたデザインで、現代のオフィスや端末との調和を実現する

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開発秘話

<仕様通りではダメだった金型>
本製品の開発では試作とテストを繰り返し、上記の人間工学的配慮視点から最も適切な仕様をミリ単位の寸法、コンマ1°単位の角度の精密さで決定した。しかし最も大きなチャレンジは仕様の決定ではなく、製品を仕様に忠実に生産することだった。プライウッドは、木材の温かみやしなやかさを保ちつつも工業材料としての強度と均一性を持っている。しかし油圧プレスによる熱や圧縮、樹脂による接合など、加工の工程で歪みや反りが生じやすい。特に細かなカーブの多い本製品では、仕様通りの金型を作っても、完成した製品が仕様と大きくずれてしまう事態が発生した。このため、各工程において精度を高める工夫(熱や圧力、冷却方法、樹脂の種類など)を施すとともに、発生する歪みや反りを計算して金型の形状を変更することで、ようやく最終製品が仕様通りに生産することが可能となった。


推薦者

芝浦工業大学 デザイン工学部デザイン工学 吉武良治 先生

お問い合わせ
企業名・担当部署名

合同会社MOKU

掲載URL

http://www.moku-woodware.com/desktop-stool_jp.html

製品発売時期

2015年2月

更新日

2015年05月22日



 


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